(くうかい)
空海:
(774-835) |
平安初期の僧。日本の真言宗の開祖。諡号(しごう)、弘法大師。讃岐の人。
804年最澄らとともに入唐し、長安の青竜寺恵果(けいか)に学ぶ。806年帰朝して高野山金剛峰寺(こんごうぶじ)を開く。嵯峨天皇より東寺(教王護国寺)を賜り、その翌年には大僧都に任ぜられた。
日本最初の庶民学校である綜芸種智院(しゆげいしゆちいん)を設立。書にすぐれ三筆の一人にあげられ、「風信帖」などの名品がある。また、詩文にも秀でた。後世、広く庶民信仰の対象として尊ばれた。
著「三教指帰(さんごうしいき)」「十住心論」「弁顕密二教論」「性霊(しようりよう)集」「文鏡秘府論」「篆隷(てんれい)万象名義」ほか。 |
(かくばん)
覚鑁: |
(1095-1143) 平安末期の真言宗の僧。諡号(しごう)、興教大師。肥前の人。
新義真言宗の祖。仁和寺で密教を学ぶ。高野山に大伝法院を建立し、金剛峰寺の座主を兼ねたが、反対にあい紀州根来に移り、円明寺を建立。その事相の門流は伝法院流という。著「五輪九字明秘密釈」など。 |
(じそう)
事相: |
密教で、灌頂・修法など実践的な方面のこと。 |
(かんじょう)
灌頂: |
密教の儀式。伝法・授戒・結縁などのとき、香水(こうずい)を受者の頭に注ぐこと。 |
(こうずい)
香水: |
〔仏〕 諸種の香を入れて作った、仏前に供える水。身体に注ぎかけたり、仏具・道場をきよめたりするのに用いる。閼伽。 |
(あか)
閼伽: |
原義は「価値あるもの」の意。功徳水(くどくすい)と訳す。神仏に供えるもの。
一般には、仏に供える水。また、その水を入れる器。 「閼伽桶(おけ)」 |
(さいちょう)
最澄:
(767-822) |
日本天台宗の開祖。姓は三津首(みつのおびと)。近江の人。
比叡山に入り法華一乗思想に傾倒し、根本中堂を創建。
804年入唐、翌年帰国し、天台宗を開創。「山家学生式(さんげがくしようしき)」をつくって大乗戒壇設立を請願したが、南都の反対にあい、死後七日目に勅許がおりた。日本最初の大師号伝教大師を勅諡(ちよくし)される。
書状「久隔帖(きゆうかくじよう)」は名筆として知られる。著「顕戒論」「守護国界章」など。叡山大師。山家大師。根本大師。 |